資産運用の基礎を知っておこう!知識をつけて自分を守る

2020/05/18
世の中が何となく不安定で、お給料も減るし、一方では年金で老後が暮らせるかどうかもわからない。そんな不安な時代に少しでもお金を増やしたいと思うのは人情かもしれません。

様々な金融商品が出ていますし、勧められもします。投資すればお金を増やせそうな気もしますし、色々な情報も耳に入ってくるでしょう。「貯蓄から投資へ」と言われれば何とかしなくてはいけないような気になります。

そんな時代だからこそ資産運用や金融商品に関してキチンとした知識を持つことが重要です。投資が好きとか嫌いとか、資産運用を積極的にやるつもりか否かに関係なく知識だけは持っておくべきです。

何故なら元本を割らないような金融商品を買ったつもりが、実はリスクの高い商品だったりすることも今のような世の中ではありえます。また、従来会社が面倒を見てくれた企業年金も401kが導入されれば自分で運用せざるを得ないでしょう。

無知だとカモになってしまうことも

今までは投資などに無関係で居られた人も自分の意思とは別に関わざるを得なくなっているのが今の時代ですので、資産運用の基礎的な知識はどんな人にも必須科目になっています。

そうした知識を持っていることによって儲けるというよりも不本意に損をしてしまうことから身を守れるからです。勧められてよく知らないままにリスクの高い金融商品を購入してしまい、本来必要のない苦労を背負ってしまっている人もいます。

知っているか、知らないか、ただそれだけが明暗を分けます。金融商品について無知であるとカモになってしまいかねないような仁義なき時代には知識をつけて自分を守っていきましょう。

金融商品にミラクルはない

では、知っておきたいことは何かというと、難しいことよりも、まずは株や債券、投資信託などの基本的な商品の仕組みや内容、どんな時に儲かって、どんな時に損をするか、リスクとは何か、どんな商品にどんなリスクがあるのか、というようなことを知る必要があります。

経済の動きと金融商品の関連性などを知っておけば、金融商品の価格が下がったといって慌てることもありません。

基本的な仕組みやそれを取り巻く構造を知っていくにつれ、投資や金融商品に「ミラクル」や「おいしい商品」は無いという当たり前のことに納得がいくでしょう。リターンを求めればリスクもある。

そのリスクを自分がどこまで許容できるのかという判断が大切です。よく分からないとどうしても勧められた金融商品を良いと思ってしまいがちです。知識を積むことで自分に合った金融商品を自分で選択していけるようにすることが目指すべき道です。

銀行預金と株式投資の違いは?「違いがわかる男」でいたい

まずは一般的な銀行預金と株式投資の違いを考えてみましょう。銀行に預けたお金は企業などに貸し出されます。企業は借りたお金の利息を銀行に払い、その一部が預金者に利息として支払われ、満期が来れば銀行に預けた元本が戻ってきます。

この利息と元本は銀行が保証しています。万が一銀行が貸し出した先の企業が経営破たんしても銀行が破たんしない限り預金者には元本と利息が支払われます。もし、銀行が破たんしたとしても預金保険制度で元本と利息は保護されます。

では、株式投資はどうでしょうか。企業がビジネスをやるには元手になるお金、資本が要リますね。そのお金を広く一般の人から集め、その見返りに発行するのが株です。企業が資本金を基にビジネスを展開し、商品を売ったりサービスを提供したりして利益が出れば出資してくれた株主にお金を還元します。それが配当です。

大きく儲けることもあるし、損をすることもある

銀行の利息と株の配当がどう違うかというと利息は預け入れる時点で予め決まっているのに対し、配当は決まっていません。企業が儲かれば配当が増えることもあるし、赤字で配当が無いこともあります。

また、企業が破たんした場合、一般に出資したお金は戻らないでしょう。銀行預金なら元本と利息を銀行が保証してくれるわけですが、株式投資は直接企業にお金を出すのですから誰も保証してくれないわけです。元本が保証されるか否か、そこが預金と株式投資の大きな違いです。

株をお金にしたいと思った場合には、証券会社を通じて株式市場で売ります。買いたい人が多ければ株価は上がりますし、人気がなければ株価は下がります。買った値段より高く売れれば儲かりますし、買った値段より安くしか売れなかったら損するということです。

大きく儲けることもあるし、損をすることもある。ここも銀行預金と違うところです。銀行預金は満期が決まっていますが、株は別に満期などはありません。換金したい時に市場で売却するというものです。

特徴を知るということ

こうして見てくると株で利益を得るというのは、1つは保有している時の配当です。もちろん配当が無い場合もあります。もう1つは買った値段より高い値段で売れた時の売却益です。

そして、この配当と売却益に関しては株を購入する時点では決まっていません。儲かる可能性もあるし、損をする可能性もあります。株を購入する時点では分かりません。それが株式投資です。元本が保証されていて、決まった利息を貰う銀行預金とは大きく違います。

どちらが良いとか悪いとかではなく、こうした特徴を知って自分の資産運用の目的に適ったものを選んでいけばいいのです。損する可能性を引き受けられる資金でないと株式投資には向かないということです。

「防御」と「攻撃」を明確にする

2020/05/18
守る資産はあくまでも元本保証のもので

資産運用で一番大切なのは何だと思いますか。その答えは「なぜ資産運用をするか」にあります。資産運用するのは、もちろんお金を増やしたいからかもしれません。では、何故お金を増やしたいかといえば、自分や家族の望みを叶えるためです。その「望み」つまり貯蓄と同じで資産運用も目的をはっきりさせることです。

自分の望みを叶えるための資産運用と増やすための資産運用では違ってきます。お金を大きく増やそうとするということは、大きく減らしてしまう可能性もあるということ。でも、自分の望みをかなえるために決して減らしてしまってはいけないお金ってありますよね。

運用の目的を知って「守る」「攻める」をハッキリさせることこそが大事です。守りはあくまでも固く、攻めるなら手負いも覚悟!そこを曖昧にしない。自分の中でキッチリ線を引いておく。それが不幸にならないための資産運用の極意です。

「守る」金融商品に利殖性を期待しない

例えばイザという時の予備費、子供の教育資金、近々購入予定のマイホーム資金などはキッチリと「守る」べき資産です。それは「守り」の元本保証の金融商品に預けるべきです。銀行などの貯蓄預金、スーパー定期、ゆうちよ銀行の貯蓄貯金、定期貯金、定額貯金などがこれにあたります。銀行が破たんした場合にも定期預金や一般預金は預金者1人あたり、1金融機関、元本1,000万円とその利息まで保護される点も安心です。

イザという時の予備費は「イザ」という時に下ろせなければ意味がありません。そういう意味で流動性も大事です。当面使わないだろうと思って株を購入したりすると必要になった時に値下がりしていたり、取引が少ない銘柄なら中々売れなくて換金できないということにもなりかねません。

「守る」ための金融商品の難点は金利が低く、利殖性が無いことでしょう。でも「守る」金融商品には「増やすこと」を期待しない方がいいのです。少しでも金利の良いものをというならネット銀行の定期預金を利用するのも1つの手です。

原則を曲げることが危機を招く

株や投信などを含め資産運用をしていれば、資産が減ってしまうこともあります。リスクのあるもので運用すれば、資産額の増減があるのは当然です。ただ、問題はそのことによって自分のライフプランを変更しなくてはいけないような事態が起こることです。

マイホームが買えなくなったり、老後の生活資金を失ったりなど、ライフプランを実現するために資産運用をしているのに、それでは何のために資産運用をするのかわかりません。

そうした事態を避けるには、守るものはあくまで守るという姿勢を貫くことです。ちょっとお得そうとか、少しだけなら大丈夫かも、などと原則を曲げてしまうことが危機を招きます。


一見、おトクそうな商品に注意。リスクとリターンに納得できる金融商品を

様々な金融商品が販売されるようになりました。複雑な仕組み預金、保険と運用が一緒になった変額年金保険、派生商品を組み込んだ金融商品など分かりにくいものも増えています。昔は銀行といえば元本保証の預金がメインでしたが、今の時代は銀行で勧められるからといって元本保証の金融商品とは限りません。

1990年代初めて銀行が投資信託業務に参入し、銀行系の投資信託が販売されることになりました。当時銀行の窓□で投信の販売は禁止されていて、販売のチャンネルをどうするかということが問題になっていました。それから十数年、銀行の窓□では投資信託がバンバン売られています。時代は変わっていくものです。金融商品を選ぶ知識も益々必要になってきています。

おいしい金融商品はあるの?

さて、色々な金融商品を選ぶ時に注意したいのは「一見お得そう」という所に引っかからないことです。人はどうしても「儲けたいけど損はしたくない」と思うものです。そうしたニーズを金融商品にしてみると「そこそこ利息や配当があって、でも元本は大丈夫そうなイメージ」ということになるのではないでしょうか。でも、本当に元本保証で儲けることのできる、おいしい金融商品なんてあるのでしょうか?

ここでリスクとリターンについて考えてみたいと思います。リスクとは何かというと「ブレ」です。株価が上がったり下がったり、これが「ブレ」です。リターンは儲けです。一般に株のようにリターンが大きいものほどブレは大きいものです。リターンを期待するならプレもあると思うのが理に適っています。

例えば、元本確保型変額年金保険は元本が確保されるので安全で運用がう上手くいけば大きく儲けられそうなイメージですね。でも、元本が減れば保険会社が穴埋めしなくてはならないので資産を大きく増やすために上がったり下がったりとプレるようなリスクを取る運用はしにくいと考えられるでしょう。

手数料や流動性にも注意!

日経平均株価がある一定ラインを割らなければ元本が戻ってきて高い分配金などが得られるような金融商品も一見、安全で儲けが多そうです。でも、日経平均が一定ラインを割らないとは限りません。そうした値下がりするリスクを負っている一方、日経平均が上がっでも、一定の分配金しか貰えないのは本当にお得でしょうか?

金融商品を選ぶ際は金利が良さそうとか元本を割らないかどうかということだけでなく、手数料や預け入れ期間などに注意することも大事です。配当が高そうに見えても実は手数料も高かったり、途中解約ができなくて、途中解約したばかりに元本を減らしてしまったりすることもあり得ます。金融商品の内容が分からないものは購入しないほうが身のためです。リターンとリスクがちゃんと見える金融商品を選びましょう。